Business Model
外資系企業のいいところも、悪いところも出来るだけフェアなポジションで書いてきました。ここでは外資系企業の優れた一例に触れてみたいと思います。
- 私は最近、書籍類・DVDなどのメディアを購入するのにすべてアマゾンを使用しています。これはネットでのオーダーで便利だから、最近流行だからということではありません。アマゾン・ジャパンのジャスパー・チャンもいっているように同社のCustomer Satisfactionへの姿勢がlip serviceだけではなく本物だからです。私のHPで書籍類のリンクを全てアマゾンに統一しているのも私がそのCSが本物だと実感しお奨めできるからです。
- Customer Satisfactionは外資系のみならず日本の企業も最近は軒並みpriorityとしてうたっています。しかし本当に社員一丸となってそのようなmindsetを持っているでしょうか?疑問を持たざるを得ません。
- 私はこの数年ヨーロッパやアメリカのmanagementとアジアの戦略に関わる業務に就いています。しかしながら、残念なことに彼らのうち何人かからは本当に心から思うCustomerという言葉を聞いたことがありません。当社でももちろんCustomer Satisfactionはone of top priorityです。それでも彼らは自分の任期中の自分のachievementにしか興味がないようです。担当しているマーケットに対するlong term committmentはありません。本当に残念なことです。そしてそれが一つの大きな外資系企業の弱さなのです。
- アマゾン・ジャパンに話を戻しましょう。顧客満足度が値段・信頼性・配送・サービスなどにおいて群を抜いています。在庫がある限り24時間以内の発送をcommitし、1500円以上の注文は送料無料とし、きめ細かい発送のトラッキングがメール・Webでなされユーザーに不安やいらいらを感じさせません。さらに同社からの購入履歴は全てサイト上で記憶され、それらはユーストマーケットで再販できます。まさにいったんは死んでしまったお金を再び生き返らせているわけです。
- そしてそのユーストマーケットでは見事なWin-Win situationが展開されます。出品者は不要になった書籍からcashを得ることができ、落札者は新本より遙かに安い価格で程度のいい書籍を得ることができ、Amazonは手数料でさらなるrevenue(おまけにこれは殆どコストのかからないHigh margin item)を得ることが出来るわけです。
- こうした本社のアマゾンの優れたBusiness modelを妥協することなく日本に展開するという英断をジャスパー・チャンができたからこそ、書籍シェア40%以上を誇る数少ないネットビジネスの勝ち組としてのこれらのだと思います。ここで日本風な妥協が入ってしまったり、他社をまねたpricing戦略をとっていたらこの成功はなかったと思います。
- 自分の会社の文句を言うのはやめましょう。しかし、個人としてこういったmindsetは失いたくないモノです。定年になって自分が退職するときに自分で後悔したくないですからね。